はてしない夜の夢

永久に常しえに続くことは何としあわせな悪夢でありませう。

Never-ending story of the night.


   

みつけちまったkindleに


いつの間に出ていたのか、、、2015年に文庫版を購入したときはその値段の高騰ぶりに手が震えたのを覚えている。
その後、弟弟子にサン・テグジュペリ3部作として貸して今手元にないけれど、まだ大切に持っていてくれているかな?
人間はいつの時代も空を自由に飛び回る幻想に取りつかれるけれど、空で緊急事態に陥ったら高確率で助からないので、飛行機乗りたちは生きている自分と言うものを見詰め直すのかもしれない。
飛行機と同時期に出生して、飛行機産業の発展と一緒に成長して、その体験をエセーに書いて、小説を書いて、若者たちに夢を与えて、でも世界大戦が始まって、飛行機に乗る事=戦闘機に乗る事となって、最後は彼の本を読んで空の仕事を選んだ若者の一人に撃ち落とされて……。
星の王子様の子供に語り掛けるような素朴な文体と対比して、彼の人生は一筋縄ではいかない時代の激動と堅牢な信念と戦士としての矜持に溢れていて、このギャップに私は参ってしまった。
彼の影響と言うのは日本人は結構受けていると思うのだけれど、一番身近な所だとやはりジブリでしょう。

何しろ「夜間飛行」と「人間の土地」は宮崎駿氏がカバーを手掛けているし、あとがきも書いている。
でも「紅の豚」のプロットの下敷きになっているのはこの映画じゃないだろうか?

これは名作ですよ。
石原裕次郎が出演した「素晴らしき飛行機野郎」と言う映画もあるのだけど印象は真逆。
今思うに「紅の豚」はこの映画を越えられない。
個人的にジブリも好きだけど軍配はオリジナルに上げざる得ない。
最後が本当にカッコいいし、しかも一部実話。
カッコいいとはこういうことなんですよ、と言いたいけど全編通してカッコいい訳じゃない。
だからこそ良い。
サン・テグジュペリの人生もやっぱり全部が奇麗なわけじゃない。
それって若いチャラ男がカッコばかり付けて傍から見て痛い自撮りを見せびらかしていたのが、どっかで目覚めてしまったのに似ているのかもしれない。


でもまさかアマゾンのアフィリエイトをブログにくっつけようと色々弄っていたら、ここまで書くことになるとは予想外の展開。
もうちょっとプロフィールとかブログの方向性とかテーマとかについて書こうと思っていたのだけれど、それはまた別のお話し。。。

×

非ログインユーザーとして返信する